虎の巻02:ゴールだけでなく、スタートも明確にする

研修計画時には、とても有効な研修のように思ったが、実際は研修後「何が変わったのか」がイマイチだったことがありませんか?それは「3つのこと」が曖昧だからなのです。1つ目は前回お話しした「目標」。今回は2つ目をお話しします。

明確にすべきことの2つ目

虎の巻01で、「研修の目標を明確にする」ことをお話ししました。これはいわば「研修のゴール」を想定することです。この「目標(ゴール)」が明確になると、対になる「もう1つ明確にすべきこと」が見えてきます。

それは何だと思いますか?

「ゴール」を明確にする必要があるということは・・・

そうです!「スタート」も明確にしなければなりません。
つまり、研修内容に対する受講者の「現状のスキルや理解度のレベル」です。研修前もしくは研修の最初に「現状のスキルや理解度のレベル」を問う仕組みが必要なのです。

しかし、事前には何も行わず、「終了後にアンケートを取るだけ」の研修が実に多いのです。

・・・研修後に「効果はありましたか?」と聞くだけで、「研修の効果」を知ることが、本当にできるでしょうか?

「現状のレベル」を把握する質問・設問を用意する~事前課題やアンケートの落とし穴

「あ!そういうことなら、うちは研修前に事前課題や事前アンケートを行ってます!」
という返答をよく聞きます。

あなたも作成したり、受け取ったりしたことがあるのではないでしょうか?
私も他社の研修会社を通して登壇した時、前もって送られてきたり、お客様が作って「研修でお使いください」と頂たりします。
これは研修を登壇するにあたって、とても重要な資料です。研修前、登壇中に何かと活用させていただいてます。

しかし、これが「研修前の現状レベルの把握」になるのか?というと・・・
実は、「ならない」もしくは「足りない」ことが多いのです。

なぜなら、多くの事前課題や事前アンケートが、研修前に「どう考えているか?」「どんな状況か?」という質問のみだからです。
つまり、「思考や状況の質問」ばかりなのです。
確かに「どう思考するか?」「どう捉えているか?」は「受講者の現状のスキルや理解度のレベルの一部」と言えます。
しかし、あくまで「一部」なのです。

なぜなら、現代のビジネスで課題や問題となっているのは、
「思っていた」「知っていた」が、「できなかった」「充分でなかった」
ということが多いからです。
どんなに良い考えや理想的な状況を言えても、何もしなければ現実は変わりません。
ビジネススキルの多くは「知る、考える」だけでなく「何ができるようになったか」が重要なのです。

設問や質問は、「現状できること」を聞くべき

では、研修前の「現状のレベル」を把握するにはどんな質問・設問にすればよいのでしょうか?
それは、「研修の目標」に関する「今」を聞くことです。

「研修の目標」は、研修後に「どんなことができるようになるか?到達できるか?」でした。
だから、「現状のレベル」は研修前の時点で「既にどれぐらいできるのか?どこまで到達しているのか?」を問う内容であるべきです。質問・設問は「思考や状況」だけでなく「行動や能力」の質問もしなければならないのです。

なんか難しく感じられたかもしれませんね。でも、これ難しくありません。

なぜなら、研修会社に考えてもらえばいいからです(笑)
研修会社と「研修の目標」を摺合せ、明確にした後、
「今回の研修を実施するにあたって、現状のわが社の社員のレベルを知りたいのですが・・・」
と研修会社に伝えれば、それに対する質問・設問を作ってくれるはずです。

このように研修計画時に、研修前もしくは研修の最初に「現状のスキルや理解のレベル」を計測する仕組みを考える必要があるのです。

例外:「現状のスキルや理解のレベルの把握」が必要ない研修

最後にちょっと例外の話をします。
実は「現状のスキルや理解のレベルの把握」が必要ない研修もあります。

それは「全く新しいことを学ぶ」研修です。

新入社員研修の多くはこれです。また、IT系やビジネス知識系の研修(Excel研修や簿記研修など)など、0から学ぶものは「現状のレベルの把握」は必要ありません。

現状はゼロなのですから・・・

※なお、本文中の「目的」「目標」という言葉の定義・意味は、通常の意味や定義とは、異なっております。これまでお客様との対話から、上記のように定義した方が理解されやすかったためです

今回のチェックポイント
【研修前に「現状のレベル」を把握すべし】