研修の企画は、まず「目的」と「実施内容」と「目標」の3つを考える必要があります。
※なお、通常の「目的」「目標」の意味や定義とは、異なっております。これまでお客様との対話から、以下のように定義した方が理解されやすかったためです
研修の目的、実施内容、目標
まず「研修の目的」とは「何のために、研修を行うのか?」です。例えば、新入社員が受ける「社会人マナー研修」であれば、「配属前に、社会人としての基本的な心構えとマナーの重要性を理解することが必要なため」といったところでしょうか。
次に「実施内容」とは「『目的』に対して、何を行うか?」です。先ほどの新入社員研修であれば、「社会人のマナー」や「ホウ・レン・ソウの定義」など研修カリキュラムの内容にあたります。
最後に「研修の目標」とは「『実施内容』によって、どんなことができるようになるか?到達できるか?」です。「社会人としての挨拶や言葉遣いができる」「ホウ・レン・ソウの違いを説明できる」など、研修実施後の到達点や基準点になります。
研修の「目標」が曖昧?!
このうち、「お客様」も、「研修会社」も、共に不明確のまま、研修を実施していることがあります。
それは、「研修の目標」です。
研修の「目標」が、「目的」や「実施内容」と”同じ”であったり、境界が曖昧だったりすることが多いのです。
そもそも「目的」には、組織の方向性や意図のような大きな事柄が設定されるものです。「何の為にこういう教育を行うのか?」という問いに対する「答え」でもあります。たとえば「厳しい状況下でも対応できるように、○○の知識やスキルを身に付けてほしい」という感じです。
しかし、「目的」はあくまで「方向性」です。走ることで例えるとするならば、「どちらの向きに走り出すか」であって、目標である「どこまで走るか」ではありません。
一方「実施内容」は、「何を研修で扱うか」という「メニュー」にすぎません。走ることでたとえれば、「手段や方法の紹介」と「走るための練習内容」です。やはり「どこまで走るのか」ではありません。
当然、研修は、受講者が成長しなければ意味がありません。
だから、「目的」や「実施内容」から「研修の結果、どんな成長を想定するのか」を考え、定義する必要があります。これが「目標」です。「目的」や「実施内容」とは別物なのです。
「目標」はお客様と研修会社が一緒に考えるもの
「目的」は「方向性(教育する理由)」です。だから当然、お客様で考えていただくものです。
一方「実施内容」は「目的」という理由や要望を受けて、「何を行うか?」を研修会社が考えるものです。
・・・では、「目標はどちらが考えるのでしょうか?」
私は「目標」はお客様と研修会社が一緒に考えるものだと思ってます!!
そのためには、あなたも「研修の目標」を考え、「中途半端な研修会社」の掲げる「あいまいな目標」に誤魔化されないようにする必要があります。
具体的には以下の3つを行ってください。
①あなたも「研修目的」(研修を行う理由)から「研修の目標」を立ててください。
②研修会社の提案書や企画案(これが「実施内容」)を読んで、「こちらの想定した目標を達成できる内容か?」を検討してください。
③研修会社の担当営業から「研修会社が想定した目標」を訊きだし、「曖昧さがないか」をチェックしてください。
研修毎に「目標」が明確になれば、研修後に「どの程度目標を達成できたか?」「不十分な点があれば、次の研修ではどんな実施内容が良いか」「それとも研修以外の教育が必要か?」などが自然に気付くようになります。こうして、御社の社員教育がどんどんブラッシュアップされることになるのです。
【研修の「目標」を明確にすべし】