【実況中継】業務マニュアル作成研修

第2講:
業務マニュアルの作成には踏むべき「手順」がある

業務マニュアル作成研修

「なぜ、職場にある業務マニュアルは分かりにくいのか?」

前回「わかりやすい業務マニュアルを作成するには”設計”が重要」という話をしました。
しかし、”設計”といっても、なんとなく漠然としてますよね。
どんな設計をしないといけないのか?は、現状の問題点をもう少し、分析する必要があります。

さて、改めて現状の問題点について、考えてみましょう。

皆さんの職場には「既に誰かが作成した業務マニュアル」がありませんか?
おそらく、「ある」と思います。業務に関するマニュアルが一切ないという職場は珍しいのではないでしょうか?!

では、その「職場に既にある業務マニュアルは理解しやすいですか?」

これまで登壇して、同じ質問をしています。
すると首を振る人が多いです(笑)

あれ?ひょっとすると「わかりやすい良いマニュアルがある」という稀有なケース(笑)もあるかもしれませんね。
そういう方はラッキーです。目の前に良いケースがあるということです。
その業務マニュアルがなぜ理解しやすいのか、今一度見直してみてください。

しかし、そういう方はかなり少ないと思います。

今ある職場の業務マニュアルはわかりにくい

業務マニュアルが存在しているけど、誰もそれを使っていない
 (読んでいない

こういう何かしらの問題点があるマニュアルの方が多いのです。
まぁ、だからこの研修を受けているのだと思います。

では、なぜ?分かりにくいマニュアルが多いのでしょうか?

それは「業務マニュアル作成の手順」を知らないからです。

わかりやすいマニュアルは、手順を追って作成しなければ、絶対に実現しません。
しかし、この手順を知らずにみんな作るからです。

偉そうに言っていますが、私もこの手順を知らずに何回も失敗した人の一人です。
みなさんは絶対私のようにならないでください。
しっかりと手順を守れば、必ず理解しやすいマニュアルが作成できます。

では、どんな手順で作成するのか?図にしたので、見てみてください。

業務マニュアル作成の手順

業務マニュアル作成の手順を図にしてみました。

図 業務マニュアル作成の手順

マニュアル作成手順

このように大きく分けてリリース(配布して使用する)までに5つの段階があることが分かります。

1.全体把握
2.対象業務を決定
3.作成準備
 3-1ビジュアル面
 3-2コンテンツ面
4.実作成
5.全体の検証
6.リリース(配布)

この図を見てもらうとわかるのですが、マニュアル作成には「入念な準備」と「こまめなチェック」が重要なんです。
しかし、前回(業務マニュアル作成00:業務マニュアルの作成で、絶対やってはいけないこと)でもお話したように、ほとんどの人が準備やチェックをせずに、いきなりマニュアルの本文をPCで入力しはじめ、作成したらそのまま他者に配布してしまいます。

これは十中八九、今までの「わかりにくいマニュアル」と同じような結果になってしまうのです。

業務マニュアルの作成には「準備とチェック」が重要なのです。
これらを行うと、今までとは違って「理解しやすい業務マニュアル」を作成でき、「自分だけではなく、みんながずっと使っていきたいマニュアル」になるのです。

業務マニュアル作成時に準備とチェックが行われない理由

業務マニュアルの作成に「準備」と「チェック」が重要なことは、ここで私が話さなくても、なんとなく皆さん分かっていることなのではないでしょうか?
そもそも「仕事」というのはほとんどが「準備とチェックが重要なもの」ですから・・・

でも、なぜか業務マニュアルの作成の時に準備とチェックを忘れてしまう・・・
もしくは「やらなければと思いつつ、やらない」になってしまう・・・
なぜだろう?

これ、理由は簡単です。
業務マニュアルの作成は「思った以上に負担がかかる」からなんです。

マニュアルを作るとわかりますが、かなり「自己犠牲」が伴います。
おそらくマニュアルの作成自体は「仕事」としてみなされないのではないでしょうか?上司や会社から「マニュアル作ってくれ」とでも言われない限り、マニュアルに費やす労力に応じて他の仕事の負担が少なくなるようなことはないと思います。(私の知っているかぎりでは、仮に上司や会社から作成してくれと言われても、負担が大きいことが多いです)

なので、マニュアルを作ることが嫌になってくる。さっさと終わらせたくなる。作ったら作ったでいろいろ文句言われる。「あそこはあーじゃない」「もっとこういう風に書いたら良かったのに」なんて、作った後からいろいろ言われる。

なら、さっさと作ってしまおう。他の人に完成するまで見せないようにしよう。作ってしまえばいいや~って感じになってしまうんです。

これが、今まで「わかりにくいマニュアル、使われないマニュアル」の誕生秘話です。

でも、これだけの労力をかけるのに、作成したものが「今までと変わらないわかりにくいマニュアル」だとしたら、皮肉でしかありませんよね!!せっかく作ったのに、誰も使わない。忘れられた存在になってしまう。これなら作らない方がいいです。最初からそんな面倒を書けない方がみんな幸せですよね。

どうですか?それでもマニュアル作りますか?

【余談】わかりやすい業務マニュアルがあなた(の職場)に与える影響

こんな話をしたら、マニュアル作る気なくしますよね・・・でも、作った方がいいですよ。あなた自身が良い体験をすることになりますから。

働き方改革や新型コロナウイルスの影響などで、情報を明確化すること形式知にすることが喫緊の課題になっています。もう業務の情報を見える化することは当たり前の世の中なんです。属人化や教育の効率化が図れない職場は生き残れない。

もっと皆さんの身近な話でいえば、残業を削減できない理由として「自分しかこの仕事ができないから」というのは言い訳にならないということになります。さっさとマニュアル化して、他の人でも仕事ができるようにしておくことによって、あなたの残業を削減し、あなたが新しい仕事のスキルや能力、プライベートの充実、活力を生み出す時間を作ることが今後ますます重要になるのです。

少し、話が大きくなりましたね。でも、「手順を追ってマニュアルを作る」ことが「わかりやすい業務マニュアルの作成」に強く影響があり、「わかりやすい業務マニュアル」はあなた自身に影響を与えることを理解してほしくて、お話しました。

では、次にこの手順を1つ1つ詳しく解説していきます。

何故か既存のマニュアルが分かりにくい・・・研修で学びなおしませんか?

研修では上記をじっくりと説明し、実施できるようにアドバイスします。

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