業務マニュアル作成04:作成手順3「作成準備①ビジュアル面」

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業務マニュアル作成研修

業務マニュアルの「準備」2つに分かれる

さて、前回作成する業務の優先順位を決めました。
これから1つ1つこの優先順位をもとに業務マニュアルを作成していきます。

業務マニュアルを1冊作成するには、「準備」が必要になります。
この準備には主に2つの面に分かれます。
1つは「見た目」である「ビジュアル面」
もう1つ「記述内容」にあたる「コンテンツ面」です。

業務マニュアルは知識や情報を見える化した物体です。
どんな物にするのかを考える必要があります。

そして、知識や情報をどのような物で伝えるか?
文や図、データなどを組み合わせて説明内容を記述します。

この2つを分けて、ビジュアル面とコンテンツ面とここでは言っています。

そして、この2つを考えるには、マニュアルの「使用目的」を明らかにする必要があります。

(1)業務マニュアルの「使用条件」を明確にする

「使用条件」とは「作成したマニュアルがどう使われるのか?」です。
「誰が、どんな時に、どんな場所で使用するか?」を考えます。

あなたが作成した業務マニュアルは、具体的に「どんな人物像」が「どんな場所・タイミング」で使うのかを考えてください。

特に、マニュアルのビジュアル面は、この「マニュアルの使用条件」を明確にしないと、「使用しにくいマニュアル」「誰も参照しないマニュアル」になってしまいます。

私もこの使用条件をすっかり忘れて作成して、「使いにくいマニュアル」になってしまった経験があります。

是非、使用条件は明確にして、「このマニュアルは〇〇な人が、○○な時に○○(場所)で使用する前提です」と書き出しておいてください。

(2)業務マニュアルの形態(媒体の決定)

「使用条件」が明確になったら、それをもとに「業務マニュアルの形態」を決定します。大きく分けると、「印刷物か?データ?」と「個別に配布か?1つを共有するか?」で分かれます。

①媒体の形態:印刷物か?データ?

現在マニュアルを「手書き」で作成する人はほぼいないと思います。
現状、PC上で作成するので一択だと思います。
つまり、どちらにせよ作成したものはPC上のデータになるということです。

ここの「業務マニュアルの形態を決定する」というのは、このデータを「印刷して紙で運用するか?」「データのままで運用するか?」ということです。

「印刷物のマニュアル」と「データのマニュアル」にはそれぞれのメリット・デメリットがあります。これはお互いを比較したものなので、片方のメリットはもう片方のデメリットになります。

「印刷物のマニュアル」のメリット
・電気がなくても参照できる
・少量であれば、持ち運びが楽
・誰でも使える(PCやアプリの機能を知らなくても使える)

「データのマニュアル」のメリット
・検索性に優れている(情報にアクセスしやすい)
・量によって、可搬性が変化しない(大量でも持ち運び可能)
・ある程度ITリテラシーやセキュリティに制約がある

これらを上記の「使用前提」と照らし合わせて考えましょう。

②配布の形態:個別に配布か?1つを共有するか?

作成したマニュアルを使用する人に各々配布するのか?
1つのマニュアルをみんなで共有するのか?
を考える必要があります。

③私がおすすめする「業務マニュアルの形態」

繰り返し述べますが、大前提として「あなたが作るマニュアルはどんな人がどんなタイミングや場所で使うのか」をしっかりと踏まて「業務マニュアルの形態」を決めてください。

ただ「今はまだ想定しにくい」「いろんな人が使用するので決めかねる」という人にあくまで参考意見として「私のおすすめ」をお話します。

私のおすすめする形態は
「データ形式。1つを共有して使う」形態です。

まずデータ形式での運用デメリットも年々なくなっています。

かつて、一番の懸念点は「データ形式を参照する機器(PC)」が重く、
一人一台という環境もなかったです。

しかし、今や一人一台はあたりまえになり、参照する機器もPCだけでなく、タブレットやスマートフォンで代替可能です。また、PC自体も小型軽量化され、分厚い紙のマニュアルよりも、かえって軽く済むことが珍しくありません。

更にマニュアルの使用で一番大事なのは「早く探したい情報を探せる」ことです。

このためにはデータ検索機能を使うのが一番です。
人の目や手よりも早く正確に検索できます。

さらに、新型コロナウイルスの影響でリモートワークを導入する企業も増えました。紙でのやり取りよりもデータでのやり取りの方が便利であることに皆が本当に気づいた出来事でもあります。

よって、形式は「データ形式」がおすすめです。

一方で、配布の形態は「1つを共有して使用する」ことをお勧めします。

理由はメンテナンスです

修正したマニュアルをいち早く全使用者に反映させるには、1つを共有している場合の方が間違いなくできることは簡単に想像できますよね。

私が研修時に受講者から聞く「既存のマニュアルが使われなくなった理由」の第一位が「マニュアルの内容が古い」です。
業務マニュアルを更新しても、使用者がこれまで使っていた「自分のマニュアル」に固執して、新しいものを使ってくれないという作成担当者の話を何回も聞きました。

たとえば使用する人が職場を離れがちで、データ通信もままならない状態であれば個別に配布しなければ使用できません。

しかし、それ以外の場合であれば、
これは個別配布し印刷物のマニュアルの場合が特に多いです。

なので、業務マニュアルは1つをみんなで共有する形態をお勧めします。

(3)業務マニュアルの構成

次はマニュアルの構成です。
マニュアルは説明文だけでは、「ただのメモ」と一緒です。
その説明文を読み手が読みやすく、情報を活用しやすくするために、
様々なもので構成するべきです。

①主な構成要素

・表紙
・変更履歴
・前書き
・目次
・用語集
・よくある質問(Q&A)
・参考資料
・索引

②特に必要な構成要素

・変更履歴
・目次

の2つです。

③変更履歴

マニュアルの変更の履歴を番号のカウントアップで管理しましょう。1つの番号が1つの変更タイミングに関連付け、これまでの変更の流れとそれぞれの変更理由が分かるようにするためです。番号をピリオドで区切り、各桁に意味(全改訂.部分改訂.小修正)をつけるものが一般的です。3桁程度の番号で管理するとよいでしょう。

■例)3桁の各桁に以下の意味付け

0.0.1(全改訂.部分改訂.小修正)

 ・全改訂:最初の作成過程は0にします。完成し、1回目の配布で1になり、その後全体を変えるような大きなバージョン変更の度に1ずつカウントアップします。

・部分改訂:章レベルの変更や追加で変えた場合、1ずつカウントアップします。

・小修正:少しでも変更した場合は、ここをカウントUP。主に文章や図の修正レベル。

④目次

「使用者が情報を探すため」の入り口です。是非、マニュアルに設けてください。
「データ形式であれば検索機能があるため、目次がなくても・・・」と思われるかもしれませんが、情報を探すだけでなく、このマニュアル自体に自分が探したい情報があるのか?今読んでいる情報は全体のどれぐらいの位置なのか?など業務を理解する上でも核になります。

(4)マニュアルの記述ルール

業務マニュアルを組織で作る場合、人によって記述の仕方がバラバラだと、読み手は不安を抱きます。また、仮に一人で作成するとしても、長い間作成しているうちに記述形態に一貫性がなくなることもよくあることです。完璧なルールを決める必要はありませんが、以下の点は明確にして、統一性を図った方が良いでしょう。

①使用するソフトウエアの種類

Word、Excel、PowerPointなど
(個人的にはWord一択です!!)

②大きさ

A4以外を使用可にするか?

③レイアウト

・縦書きか?横書きか?
・段組み
・余白(ぎっしりと詰めず、段落ごとに空白がある方が後で修正や加筆しやすい)

④アウトライン(項目NO)

箇条書きや章立てにつける番号や記号です。
・第1章、第一項・・・
・1.、(1)、①・・・
など

⑤用語の統一

正式名称と略語や、ローカルルールの言葉などはマニュアルで「どれを何をつかうのか」をしっかりと決めておきましょう。
これをまとめて「用語集」としてマニュアルに添付するのもよいでしょう。

何故か既存のマニュアルが分かりにくい・・・研修で学びなおしませんか?

研修では上記をじっくりと説明し、実施できるようにアドバイスします。

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