【実況中継】タイムマネジメント研修
第4講:
”悩み”を解決しやすい順番は?
■【復習】これまでの話
さて、タイムマネジメントでの悩みに関する話は
今回で4回目になりました。
- タイムマネジメント01:タイムマネジメントの意味とその悩み
- タイムマネジメント02:タイムマネジメントの悩みにどう立ち向かうか?
- タイムマネジメント03:悩み第二位「並行作業(優先順位付け)が苦手」に関して
そして、タイムマネジメントでの悩みの上位3つは以下のとおりでした。
- 第一位:急な割り込みが入り、スケジュール通りにいかなくなる
- 第二位:並行して複数の業務を進めるのが苦手(優先順位付けが上手くいかない)
- 第三位:自分の想定所要時間(スケジュールした時間)以上に時間を費やしてしまう
前回「タイムマネジメント03:悩み第二位「並行作業(優先順位付け)が苦手」に関して」では悩み第一位の「急な割り込み」より、第二位の「並行作業(優先順位)が苦手」に対して先に対応すべきとお話をしました。
では、この後を研修でどう話しているのか?
以下の通りになります。
第二位「並行作業(優先順位付け)が苦手」に対応するには?
さて、第一位の「急な割り込み」に対応できるようにするには、第二位の「並行作業(優先順位付け)が苦手」に対応することが先決だと話をしました。
自分なりに並行作業や優先順位付けができているという方は、今日の後半の講義やワークを参考にして、あらためて第一位の「急な割り込み」への対応を考えましょう。
しかし、並行作業や優先順位付けが苦手な人は、やはりここをなんとかしければなりません。
では、どのようにどうすればいいのでしょうか?
先ほど「並行作業ができるように優先順位付けが苦手」ということは「現状のスケジュールがおかしい」とお話しました。
言い換えれば、「並行作業(優先順位付け)が苦手」という悩みに対応できた状態とは
「複数の仕事を抱えていても、どれもが締め切りに間に合い、要求にあった結果を生み出せるように仕事を進められる」
ということです。
これは、複数の仕事を抱えていても、それぞれの「ゴールまでの歩み」がスケジュールでイメージされていて、更に仮に新しい仕事が入っても、現状進めている他の仕事のスケジュールを鑑みながら、調整できる状態です。
このためには、仕事のスタートからエンドまでを想定したスケジュールの作成が肝要です。そして、このスケジュールは複数の仕事が完了するように「実力」を考慮して作成されていなければなりません。
では、「・・・『実力』を考慮する」の「実力」とはなんでしょうか?
考慮する「実力」とは何か?
考慮する「実力」とは何か?
当然、いろいろな指標や考え方があると思います。
しかし、タイムマネジメント上、特にスケジュール作成では「実力」とは
「質」と「時間」が指標になります。
「質」は「仕事の成果のレベル」になります。
スケジュール作成でいえば、どれだけ早いタイミングで「達成すべき成果の質の高さ」を定義できるかになります。ちゃんと「依頼元や自分の役割を把握しているか」または「想像できているか」をスケジュールに設定できることが重要です。
一方、「時間」は「成果を生みだすために費やす時間」、いわゆる想定所要時間です。職場で「あの人は仕事が早い」「遅い」という言葉で、人の仕事の実力を評価する声を聞きませんか?まさに実力を評価した言葉です。
この「質」と「時間」をスケジュール作成時に考慮することが重要なのです。
自分の実力を想定できますか?
繰り返しいいますが、「良いスケジュール」とは「実力(「質」と「量」)」を考慮して作成されたスケジュールということです。
複数の仕事のどれもが納期に間に合うように想定されたスケジュールはなおさら「担当者が生み出す成果を担保しつつ、それに対して時間をどれぐらい費やすかが考慮されたもの」になります。
さて、あなたがこれまで「自分で作成したスケジュール」は「自分の実力を想定したもの」だったでしょうか?
あなたは自分の実力を想定できますか?
すくなくとも悩みの第三位「自分の想定所要時間以上に時間を費やしてしまう」を抱えているという方は、自分の実力を想定できていないということです。
そして、スケジュールは仕事の締め切りは発生タイミングなど、自分一人で決めることに限界があるのに対し、想定所要時間は、自分が想定することですから、管理する対象としては最も自分自身になります。
もう、お分かりですね。
第二位の「並行作業(優先順位付け)が苦手」に取り組む前に、第三位の「自分の想定所要時間以上に時間を費やしてしまう」を対策しなければならないということです。
「自分の実力を把握しないかぎり、並行作業や優先順位付けは上手くいかない」のです。
悩みの上位3位に取り組む順番
つまり、ここまで(4回)の話を総合すると・・・
- 「無意識にタイムマネジメント上の悩みを解決」しようとすると、第一位、第二位、、、と順位のとおり取り組んでしまう。
- しかし、それは解決しにくい順番に取り組もうとするのと同じ
- 悩みを解決するには「自分でコントロールできること」から考えていくことが必要
- すなわち、第三位、第二位、、、と順位の逆で考えなければ難しい
ということです。
今回の研修では、まずは「自分の実力を把握しているか?」というところから皆さんと検証、分析していこうと思います。