【実況中継】タイムマネジメント研修
第3講:
「並行作業(優先順位付け)が苦手」の対策
■これまでの復習
さて、タイムマネジメントの悩み上位3つは
- 第一位:急な割り込みが入り、スケジュール通りにいかなくなる
- 第二位:並行して複数の業務を進めるのが苦手(優先順位付けが上手くいかない)
- 第三位:自分の想定所要時間(スケジュールした時間)以上に時間を費やしてしまう
の3つでした。
前回「タイムマネジメント02:タイムマネジメントの悩みにどう立ち向かうか?」で、皆さんがタイムマネジメントの悩みを解決するのが難しい理由は第一位の「急な割り込み」の対策から考えてしまっているからであると言いました。
では、第二位以下の悩みをみてみましょう。
「並行作業(優先順位付け)が苦手」とは
第二位は「並行して複数の業務を進めるのが苦手(優先順位付けが上手くいかない)」でした。「並行作業(優先順位付け)が苦手」ということです。
さて、この「並行作業(優先順位付け)が苦手」とは、何を意味しているのでしょうか?
これは「スケジュールを作るのが苦手」もしくは「自分に適したスケジュールを作っていない」ということです。
しかし、大抵このことを告げると・・・
「いや、仕事前にスケジュールを作ってますよ。スケジュール作れるんですけどね・・・なんか、上手くいかないんです」「チームで共有するスケジュールがあります。でも、並行作業が上手くいかないんです。」
と言われるんです。
さて、
「スケジュールがあるけど、上手く仕事を進められない」
というのはとてもおかしいことです。
そもそもスケジュールというのは
「『自分が』仕事が締め切りまでに終わるように過程を想定したもの」
です。
スケジュールがあるのに仕事を進められないということは、「過程を想定しきれていない」スケジュールを使っているということです。
書かれている通りにやっても終わらないスケジュールなんて、なんの意味もありません。つまり「スケジュールが無い」に等しいということです。
試しに「では、今のスケジュールを見せてください」というと、先輩や上司に作ってもらったスケジュールだったり、既存のフォーマットに合わせて形式でただ記入しただけのものだったりします。
つまり「他者が自分の進捗を捉えやすくしたもの」であるだけで、「自分が仕事を終わらせる過程を想定したもの」になっていないんです。
多くの人が「スケジュール」というものを勘違いしているんですね。
スケジュールは「自分が」仕事を完了するために「自分で」想定するもの
つまり、スケジュールは・・・
「自分が」仕事を完了させるためにどう進めるかを「自分で」想定したもの
ということです。
- 誰に(何に)対して考えるのかである「考える対象」も「自分」
- 誰が(何が)どうなるのかである「考える主体」も「自分」
まさに「自分」を管理対象にするということです。
自分の管理によって結果や効果を左右できることも多そうです。
「急な割り込み」と「並行作業(優先順位付け)」のどちらを先に考えるか?
以上のことから、タイムマネジメントの悩みの第一位「急な割り込みへの対応」に比べれば、第二位の「並行作業(優先順位付け)への対応」の方が、自分自身(もしくは自組織)への管理に関する事が多いと予想できます。
つまり、自分以外について考えなければいけない第一位の「急な割り込み」に対することより、自分自身を想定する第二位の「並行作業(優先順位付け)が苦手」への対策の方が先に考えるべきなのではないでしょうか?!
もし、並行作業(優先順位付け)がしっかりできることにより「自分に適したスケジュールが作成できる」ようになったとします。
すると「急な割り込み」が入ったとしても・・・
- 「今時点で自分が抱えている残作業はこれだけある」
- 「するとこの割り込みに対応できる時間はこれだけだな」
- 「(自分でなんとかするなら)残作業の○○と△△に関しては依頼元と調整しよう」
- 「(他者に協力をお願いするなら)残作業の○○と△△なら、後輩Aや同僚Bにお願いしよう」
というように適切な対策がとれそうです。
つまり、第一位の「急な割り込み」への対策を行うには、第二位の「並行作業(優先順位付け)」ができるようになっておくことが重要であるということです。