【実況中継】業務フロー図作成研修
第3講:
フローの描画パターン①順次(逐次)とは
3つの図形とパターンで描ける!
業務フロー図(フローチャート)は、仕事の”流れ”を図にしたものです。
「作成手順01」で洗い出した「処理(作業)」1つ1つを図形で囲み、矢印や直線でつなげて表します。
この時、「処理」を表す「囲み(図形)」は、内容によって様々用意されていますが、
すべて覚える必要はありません。基本は3つの図形を覚えれば、書くことができます。
また、処理の流れには大きくわけて3つの処理パターンがあります。
・「一つの処理が終わると次の処理に進む」 →順次(逐次)
・「条件によって、行き先が変わる」→分岐
・「ある条件を満たすまで、繰り返される(先に進まない)」→繰り返し
つまり、3つの図形と3つの処理パターンを覚えれば、これらを組み合わせて業務フローを描くことができるのです。
流れのパターン①順次
1つ目のパターンは「順次」です。「順次」という言葉は何やら難しそうですが、「1つの処理が完了したら、次の処理を行う」という単純な流れを表すパターンです。
例えば、「交通費の立替を月末に精算する」という処理の流れを考えてみましょう。
そして、この流れは
①当月分の領収書を揃え
②交通費清算書に記入し
➂上司に提出する
という3つの処理で構成されているとします。
では、この業務をフロー図で描いてみましょう。
業務フロー図では、1つの処理は長方形で囲みます。
これが3つの「囲み(図形)」のうちの1つ目です。
この長方形を矢印(直線)でつなげて表します。
つまり・・・
となります。
このように「順次」は長方形で囲み、矢印(直線)でつなげるだけなので、とても簡単です。
研修や本などでも、さらっと飛ばしてしまうところです。
しかし、結構注意が必要なんです。以下に、主な注意点を2つ書きます。
「順次」の注意点①:”流れ”の方向に一貫性があるか?
業務フロー図の初心者に多いのが「処理の流れに一貫性がない」ことです。
たとえば、こんなフロー図だったらどう思いますか?
これでは「処理」がどこからどこへ向かっているのかが、わかりにくいですね。
右にいったかと思ったら、下へ・・・
下に流れたと思ったら、左へ・・・
その都度、流れの向きが変わっています。
これは、業務フロー図を描く前に「時間の流れ」を決めていないからです。
通常、書く媒体(紙 OR PC)に対して、読み手が時間の流れとして違和感がなく目で追えるのは、縦方向であれば「上から下」、横方向であれば「左から右」になるはずです。
ですから、まず「時間の流れる方向」を決めてから描きましょう。
「順次」の注意点②:各処理の”完了条件”が明確か?
「順次」は先ほどお話したとおり「1つの処理が完了したら、次の処理を行う」流れです。
言い換えれば、「完了しなければ、完了するまで次に移らない」流れです。
だから、「処理」が「どうなったら完了するか」が明確でなければなりません。
たとえば、
このような処理の流れになっていた場合、
「企画書を完成する」「企画書を仕上げる」の2つの処理の違いが分かりにくいです。
これは業務フロー図を見る人が混乱します。
この時、「企画書を完成する」という処理が完了した時「どのような状態であるか?」を考えてみましょう。
次の処理が「上司に見てもらう」という処理になっているので、「レビュー版を完成する」という名前の方が分かりやすいです。
このように、単純な順接だからこそ、各処理の名前が分かりやすい命名になっているか?をチェックしましょう。