業務マニュアル作成05:作成手順4「作成準備②コンテンツ面」

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業務マニュアル作成研修

もう一つの準備はコンテンツ面(何を伝えるか)

前回は2つの業務マニュアル作成の準備のうちの一つ「ビジュアル面」をお話しました。
今回はもう一つのお話である「コンテンツ面」のお話をします。

(1)業務マニュアルは「読者を導くもの」

当たり前のことなのですが、業務マニュアルを作成するのは「読者が業務のスタートからエンドまで独り立ちできるようにするもの」です。つまり「読者を導くもの」でなければなりません。これはこれから業務マニュアルを作成する作成者の誰もが分かっていることです。

しかし、なぜか作成するにつれて、いつのまにか忘れてしまうことでもあります。私はこれまで沢山のマニュアルを見てきましたが、体感で8割程度のマニュアルが「読者を置いて行ってしまうマニュアル」です。作成者以外、誰もがマニュアルを読みながら業務を進められないマニュアルが多いのです。

これはなぜでしょうか?

マニュアルを作成する人は「仕事ができる人」です。仕事の内容をよく理解し、経験も豊富な人が書きます。では、そういう人は組織でどんな立場か?と考えると「とても忙しい人」になります。マニュアルの作成も自分の内面から「これはマニュアルにした方がい良い」と考え、自主的に作る人が多いです。つまり「自主性がある人」でもあります。

・・・とそういう人は組織内でどんな立場になるかというと、責任のある重要な立場になる人が多いです。その人しかできない「属人化」された仕事も受け持っているはずです。だからこそ、マニュアルを作ろうという思考になるんだと思います。

つまり、こういう人は(今、この記事を興味深く読んでいるあなたは「忙しい人」です。時間も労力もいっぱいの人がなんとかしてマニュアルを作ろうと考えているのです。

だから、マニュアルを作るのは自然と「隙間時間」になります。そうするとどんなに作る前に「わかりやすいマニュアルを作ろう」と思っても、次第に「作り上げることがゴール」になってしまって、「その都度、切り貼りしたもの」になってしまうのです。マニュアルのスタートからエンドまでの一貫性が保てなくなるのです。

こういったマニュアルは「作者が思い付きで重要な点を説明しただけのマニュアル」になってしまいます。結果、業務の所々は理解できるが「読者がゴールまでたどり着けない」マニュアルを作成することになってしまうのです。

(2)マニュアルの下書きをする~スタートからエンドまでを書き出す

では、どうすればいいのでしょうか?

まず、業務マニュアルの本書き(マニュアルそのもの)を書く前に、「下書き」を作成しましょう。下書きの段階で自分の頭をしっかり整理するということです。自分が「本当に業務のスタートからエンドまでイメージできているのか」書き出すということです。

私はこの下書きを「業務分解」と呼んでいます。通常、業務は複数の「作業・処理」という行動で構成されているはずです。

たとえば、「ある資料を作成する業務」はどうでしょうか?

ただ、資料をWordやPowerPointなどで打ち込むだけではないのではないでしょうか?作成するために、まず資料を探したり、下書きを作成して他者にレビューをしてもうったり、構成して誤りを修正したり・・・と様々な作業があるはずです。

業務が「何を完成するか?どんな状態を目指すか?」だとすれば、処理・作業は「そのために何をする必要があるか?」です。これをすべて書くのが「読者を導くマニュアルになります。

まず、これからマニュアルに書く業務を本当に自分が「スタートからエンドまで」把握しているか、書き出してみるのが「業務分解」です。

私はこれを「業務分解一覧」という一覧表にすることをお勧めします。

(3)業務分解一覧表の例

私がマニュアルを作成するときに必ず書く「業務分解一覧」の例はこんな一覧です。

実はこれ、業務フロー図の作成手順01~作業の洗い出しの内容と似ています。業務マニュアル用に項目が一部異なっているだけです。

① 作業名

1つ1つの作業・処理に、分かりやすい名前をつけましょう。
他の作業と区別できる名前(似た名前が複数ある時は注意)をつけましょう。

② 作業の説明

マニュアルの解説文の下書きです。
どんな作業・処理なのかを簡潔に書きます。
条件によって次の作業・処理が異なる場合は、その条件も書き出しましょう。

③ 添付する図や資料

説明文に添える画面コピーや文書、資料の写しです。
解説のための図などです。

特に「③添付する図や資料」は、読者が理解する上で重要です。
説明文を書きながら、図や文書例を描いたり、用意したりすることは大変です。
だから、「どんなマニュアルが分かりにくいですか?」という質問に「文字ばかりのマニュアル」という意見が多くでるにもかかわらず、職場に「文字だらけのマニュアル」が存在するのです。

作業名を書き出した後に「この処理・作業の説明には、こんなものが添えてあるといいな」と思うものをあらかじめ列記しておきましょう。

もし、ここが思い付きにくいようなら、業務フロー図の作成手順01~作業の洗い出しのように「必要物」と「成果物」を書き出し、改めて「どんな資料や図を添付すれば良いか」考えてみましょう。

(4)まずは”下書き”自分の頭をしっかり整理する

この時点はあくまで「自分がその業務をしっかりと把握できているか?(整理できているか?」を確認することです。いいかえれば、「業務の最初から最後までしっかりと把握できているか」の確認です。

だから詳細まですべて書けといっているわけではないです。「深さ(詳細さや正確さ)」よりも「幅(時系列や順番)」を優先して書き出せばOKです。

説明するために必要な添付資料が項目に入ってますが、これもすべて書き出す必要はありません。あくまで概要として「こんなものがあったらいいかな」ぐらいでOKです。

重要なのは「あなたがその業務の最初から最後までを把握しているか」です。この時点での説明文もまだ読者を意識していなくてもいいです。自分に分かるように書いておき、それを踏まえて「本書き」で読者を意識した文章(初心者でも理解できる文章)を書けばいいのです。

何故か既存のマニュアルが分かりにくい・・・研修で学びなおしませんか?

研修では上記をじっくりと説明し、実施できるようにアドバイスします。

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